第77話 一人
【カテゴリ:微妙な付き合い 】   




ロビーで石田さんたちと別れて部屋に戻ってきた僕です。

シャワーを浴びて、着替えて、次の日の目覚ましをセットしてから、ベッドに横になりました。

疲れていたので、すぐに寝られるかと思ったのですが、なかなか寝付けず…。

営業のお仕事をされている方などにすると、イベントでこの程度の仕事をしたくらいで疲れたとか言うなと怒られそうですが、

僕はこういう経験が初めてでしたし、ずっと緊張していましたので、体の疲れは予想以上でした。

でも、頭だけはものすごく冴えておりまして…。

村上さんと石田さんがちゃんと部屋に着いたのかどうかとかも気になりましたし、翌日のこともやっぱり気になってしまいました。

たった一日でこんなに疲れてますし、明日はちゃんと最後まで説明できるのだろうか?と不安に駆られていましてね。

でも、僕は一人でやっていますから誰も助けてくれる人はいないわけです。

村上さんと石田さんの様子を見たからかもしれませんが、一人でやっていることの心細さをこのとき、とても強く感じました。

補助金の申請をしたときも一人、開発もずっと一人でやってきて、何とかここまで来ました。

それに、準備だってあれだけたくさんやったわけです。

だから、一人でもやれるだろうということは、なんとなく予測できるんです。

でも、やっぱり、人と一緒に仕事することの大切さみたいなものを痛感したこともありましてね。

正直、一人でやってることの不安がとても大きくなっていました。

普段は一人が気楽だという気分のほうが強い僕ですが、このときはそれよりも誰かと相談をして、次の日に備えられたらいいなぁなんてことも思いました。

石田さんたちがすごく羨ましく思えたのでした。


この頃の僕の携帯電話の着信履歴なんかからは、僕の状況が如実にわかると思います。

今にしては、考えられない感じでしてね。

家族からの着信がほとんどを占めておりました。

その中に、たまに友達、そして、花子さん。

仕事関係の電話というのは、補助金を出してるところの関係先とか、特許事務所とか、確かに少しはありましたが、

それも本当にごくたまにしかかかって来ませんでしたし、事務的なこととか手続きの話がほとんどでした。

実質的に、仕事の内容について話をしていた人は皆無といってよい状態。

そして、仕事で借りていた部屋にもいつも一人でいましたので、

誰とも連携せずに、ひたすら一人で突き進むという、なんだかストイックなことをやっていたんです。

そして、それが日常になっていました。

今は会社で誰にも会わないなんてことはありえませんし、僕のデスクの電話がならない日も無いですし、嫌でも、休日に僕の個人の携帯に呼び出しがかかることだってあります。

つまり、仕事で人と話をしないことは無いわけです。

そんな今にして思うと、あのときの僕はどうやって仕事してたんだろうと不思議にすらなります。

ですから、今のほうが、不安になったあの時の気持ちがよくわかるような気がします。

とにかく自信がなかった時期でもありましたので、それが不安を増幅させてもおりまして…。

そして、そうなると僕は、ひたすら何かをするということで、気分を紛らわすのでして、このときは、せっかく横になったのに起き上がり、次の日に説明する資料をまた見たりしはじめてしまいました。

その資料だって、何度と無く練習しましたし、その日のイベントで200人近くに説明してましたから、ほとんど暗記しているんですけどね…。

それでも何もせずには居られない状態だったのでした。

そんなことをしばらく続けてから、今度は仕事関係のメールを見直したりとか、そういうこともし始めてしまい、

とにかくやることを探し回っていたような感じでした。

テレビでもつけて、眠くなるまでボーっと見ていればよかったのですが、そんな息抜きも思いつかないっていうのは、今思えば、なんとも間抜けなのでした。

で、そんなことをしていますと、パソコンのメールもすぐに見終わってしまいましてね。

最後は携帯のメールを見ることに…。

そうしましたら、一番最初に目に入ったのが、その日の朝に花子さんからもらったメールでした。

というか、朝に見たときのうれしさがありましたので、そのメールが見たくなったということでもあったのだと思います。

それを見たら少しは気が楽になるかもしれないと、すがるような気持ちで見たような気がします。

ですが…。

実際、見ますとね。

確かに、その文面には、とても励まされたわけですが、次の日に花子さんと会うということも同時に再確認してしまいまして…。

それが、新しい緊張感を僕にもたらすわけです。

会ったときに、何を話せばいいんだろうか?とか、

どうすれば花子さんを退屈させないですむだろうか?なんてことまで考え始めまして…。

結局、悩みが増えたのでした。


このときは、何をやっても、すぐに考え込んでしまう僕の悪い癖が出てましたので、よくなかったなぁと今にしてみると思います。

結局、最後は、何をするのもやめて、ベッドに入ってじっとしていることにしたのでした。

それでもやっぱり眠れずに、そのまましばらく起きていました。

そして、ちょっと外が明るくなりかけた頃、やっと寝たような気がします。



今でも、このときの緊張感というのは、よく覚えています。

今の僕からすると、そんなに緊張しなくてもって、思うんですけどね。

でも、やっぱり、そのときには、このイベントをなんとか頑張らないとという気持ちがとても強かったですし、

花子さんとも会うのだから、彼女に悪く思われたくないという必死さがあったのだと思います。

未だに僕は、あまり悩みを人に話すタイプではないんですが、このときは、相談するとか、話をする相手が誰も居ないというのが、ものすごく辛く感じていました。




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【2008/07/26 09:34】 | 微妙な付き合い | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
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コメント
はじめまして。
ブログ拝見させていただきました。
花子さんは癒しの存在なんですね。
と同時に悩まされる存在なのかと・・
僕も大好きな彼女がいました。
大好き過ぎて、嫌われないように嫌われないようにとビクビクしてたかもしれません。
結局いろいろ事情があって別れてしまいましたが・・・
会えば幸せいっぱいになるし、会ってないと不安で不安で仕方がなかったです。

今はもう遠い昔です。
花子さんを幸せにして下さい。

長文すいません。気を悪くさせたらごめんなさい。

よろしかったら、相互リンクおねがいします。
僕の方はユルッユルの日記になってますがw、
気分転換にのぞきに来て下さいm(__)m

またきます。応援してます。でわでわ(。・ω・)
【2008/07/27 07:56】 URL | スリムなドラえもん [ 編集] | page top↑
>スリムなドラえもんさん
はじめまして。読んでくださってありがとうございます。
それから、気を悪くするなんてことはないですので、大丈夫です。

僕と同じような悩みを経験されたのですね。おっしゃるとおり、僕にとって花子さんはとても大切な存在ですが、同時に悩むことも多いです。やっぱり嫌われないようにっていうのは、とても強く思いますので。
それだけ僕は自分に自信がないのかもしれませんし、やっぱり相手が花子さんなので、まず色々なギャップを考えてしまうこともありまして、余計にビクビクするというのは、僕もすごくあったなぁと思います。また、今でもそれが無いとは言い切れません。
ただ、あまりそうすると、彼女がとても悲しそうな顔をするので、それだけはしちゃいけないんだろうって、思うようになりました。それと、こんな感じでブログを書いて一生懸命、僕の中で消化しているということでもあると思います。
まだまだ、悩むことは尽きないと思いますが、花子さんが幸せだと思ってくれるように、頑張っていきたいと思います。

リンクもしてくださったみたいで、ありがとうございます。
僕のほうからもリンクさせていただきました。
今後ともよろしくお願いします。

【2008/07/28 08:47】 URL | 小太郎 [ 編集] | page top↑
自分と正反対ですねぇ〜
不安や緊張感や焦りとかあっても、大概は寝てしまいます(汗)
んで、朝起きて、真剣みが足りなさすぎだと自分に突っ込みいれます。w
【2008/07/29 08:08】 URL | タイガ [ 編集] | page top↑
>タイガさん
寝られるのですか…。僕は、このときだけに限らず、ちょっと緊張すると、すぐに眠れなくなってしまいます(笑)

寝られるということは、真剣みが足りないというよりは、気持ちの切り替えがしっかり出来るからなのではないでしょうか。すごいですね。とても羨ましいです。
【2008/07/30 01:15】 URL | 小太郎 [ 編集] | page top↑
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