あけましておめでとうございます。
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あけましておめでとうございます。

なんて、今更ですね。

今年最初のエントリーが、かなり遅くなってしまいまして、もう、寒中見舞いって書くべきかもしれませんが、

やっぱり一応、初エントリーなので、新年のご挨拶をと思いまして。


去年は本当に色々とありまして、僕の一生の中でも一番忙しい年、そして嬉しい年になったような気がします。

その代わり、なんだか物凄い勢いで過ぎて行ったような気が…。

なので、今年はじっくり腰をすえて色々なことに取り組みたいなぁなんて思いますけれども、どうなることやら分かりません。

ブログもちゃんと書きたいんですが今のところ、月に2回くらいの更新になっちゃってますね。

もうちょっと更新頻度を上げたいところですが、どうなることやらです。



さて、このお正月、花子さんは初めて僕の実家で年末年始を過ごしました。

といっても、すぐに仕事でしたので、1日の夕方にはもう東京に戻っていましたが…。

そんな花子さんですが、年末年始に僕の実家で過ごすのは初めてなので、行く前は、結構緊張していたように見えました。

僕の実家は、大晦日や元旦に親戚とか近所の人がやってきたりして、騒がしいのですが、そのための料理とかをうちの母と、兄のお嫁さん(僕の義姉)と妹がメインで、作っておりました。

僕も実は多少手伝っておりましてね。

ゴミ出しとか、芋の皮むきとか、そういうのが僕の仕事だったんですよ。

そこに今年は花子さんが入ることになりまして。

僕は、相変わらず、芋の皮むきとか、ゴミ出しとかだったんですが、花子さんは調理の方で色々とやっておりました。

僕は最初、うちの母と、花子さんとで、多分、やり方がかなり違うから、ぶつかったりするんじゃないのかなぁなんて、勝手に心配していたのですが、

そんなこともなく、なんだか楽しそうにやっておりました。

まあ、台所の隅っこのほうで、芋の皮をむきながら見ていただけではありますが…。

そんな僕の見た限りにおいては、花子さんは、すごくいい感じに溶け込んでいてよかったなぁと。

勝手に心配して、勝手に安心していた、年末年始でした。

ただそれでも、やっぱり、初めての僕の実家でのお正月ですから、色々と気を使っていたところがあったようで、

実家から戻ったら、やっぱり疲れてたみたいでした。

お嫁さんって大変だなぁと思いつつ、だからといって何もできなかった僕でした。

情けなや…。

何かしてあげようとか、フォローしようとか、一応、色々と考えてはいたんですが、良い雰囲気に見えたので、なにも口出ししなかったんですよね。

なので、もう少し、なんかした方が良かったのかもしれないなぁと思って、聞いてみたんですよ。

僕 「俺の実家の正月、どうだった?」

って。そうしたら、

花子さん 「賑やかで楽しいですね!」

なんて言ってくれて、嬉しかったんですけどね。

でも、何か、僕がした方が良かったことがあったかもしれないと思ったので、

僕 「でも、疲れてるように見えるけど…。なんか、あった?」

花子さん 「そうですね。ひとつだけ、ちょっと大変なことがありましたから」

僕 「え?なに?うちの親がなんかやらせた?」

花子さん 「あ、いえ、そういうことではないですよ。お義母様もとても優しくしてくださいましたから」

僕 「じゃあ、なにしたの?」

花子さん 「料理の合間にみなさんの名前を覚えるのが大変でした」

僕 「え…」

うちは大晦日とか元旦にお客が多い家なので、色々な人がくるんですが、その人達をいちいち全部覚えていたそうで…。

僕だって、適当にしか憶えてないのに…。

近所の人とか、父の友達とか、知らないし…。

なのに、それも含めて覚えていたらしく…。

しかも、料理をしながら、ちょこちょこと顔を出して、覚えてたのだそうで…。

何をしていたのかと思えば、そんなことを。

ある意味すごいなと思いました。

僕 「それ、主要な人以外は、覚えなくて良いからさ」

花子さん 「そうだったんですか?!」

なんて、花子さんは逆にびっくりしておりまして。

僕 「うん。オヤジの友達とか、あんまり関係ないから、気にしなくて良いよ。俺も知らないし」

花子さん 「そうなんですか」

僕 「うん」

ということで、つまらなかったとか、気分悪かったとか、そういう事で疲れたわけではないようです。

しかも、今度、僕の実家に行ったときには、母と料理のレシピを交換するとか、そんな約束もしてきたみたいで、料理方面に関しては、楽しかったようです。

だから、これで良かったのかなぁ…。

よくわかりませんが、とりえあず、トラブルが無かったようなので、僕としては一安心でした。



と、こんな感じで始まった今年です。

また色々と、面白いことがありそうで、かなり楽しみでもあり、逆に、何か心配なことが起きそうな気がしないでもなく…。

でも、どちらにしても、二人でうまくやっていこうと思います。

ブログの方は、更新頻度はそんなにあげられないかもしれませんが、着実に続けて行こうと思いますので、今年もどうぞよろしくお願いします!




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【2010/01/12 12:42】 | いろいろ | トラックバック(0) | コメント(6) | page top↑
クリスマスイブのご挨拶?
【カテゴリ:差を埋めがたき日常 】   




クリスマスイブですね。

でも、僕はやっと今日の仕事が終わったところ。

こんな時間です。

花子さんも今日は遅くまで仕事とのことですから、まだ帰ってないかもしれません。

それでも、今日は帰ったら二人で、ささやかにクリスマスをしようと言っていて、今朝、でかける前に、花子さんはキッチンスタジアムで、なにやら用意をしていたようでした。


そんな花子さん、先週末に、七面鳥を焼きに実家に帰りましてね。

花子さんの実家の分の下ごしらえと、僕の実家の分は焼いて送ってくれたとのこと。

僕のところは、もともとクリスマスもそんなにやらない実家ですから、送ってくれるようにと頼んでいたわけではなかったのですが、花子さんは何も言わずにやってくれました。

そうしたら、昨日、七面鳥が届いたと、うちの母が大喜びで電話をくれて、今日、温めて食べると言っていました。

結婚して分かりましたが、奥さんっていうのは旦那の実家にも色々と気を使って大変なんだなぁと…。

ちゃんとサポートしなければと、思ってはいるのです。

なので、花子さんにそのことで、

僕 「うち(僕の実家)にまで気を使ってくれてありがとう。大変だったでしょ?」

と言ったのですが、花子さんは、意外そうな顔をしましてね。

花子さん 「え? 七面鳥ですか? あれは、気を使ったのではなくて、100%、私の趣味ですよ。それに、お義母さまやお義父さまにもお付き合いいただいてしまって。でも、食べていただける家が一つ増えるのって、本当に嬉しいですよね!」

なんて、すごく嬉しそうに言っていましてね。

しかも、

花子さん 「今年のソースは、前とちがうんですよ。やっぱり、いつも同じだと飽きちゃいますよね。味付けのバリエーションも次を考えないといけないし、七面鳥じゃなくて、タンドリーチキンとかの年があっても良いかもしれませんよね?」

なんて言って、しばらくクリスマス料理の話を楽しそうにしておりました。

料理のことを嬉々として語る花子さんの顔を見るに、僕の実家を気にしたとか、そういうことではないようで…。

僕の考えすぎだったみたいです。

でも、クリスマスとはあまり縁の無い僕の実家に、趣味とは言っても、作るのにやっぱり手がかかる七面鳥を送ってくれたこと、本当に感謝しています。

直接は言ったけど、ここにも書いておきます。

ありがとう。


そして、今朝、

リビングのテーブルに、しゃべったり、歌ったりするクリスマスツリーを飾りながら、

「今日のクリスマス料理は、ちょっぴりささやかになっちゃいますけど、少しだけ楽しみにしていてくださいね」

と言っていたので、楽しみに帰ろうと思います。

本当はなにか買って帰りたいんですけどね。

お店なんて、この時間、ほとんど閉まってるだろうなぁ…。

一応、昼休みに外に出たときに、うちの会社の近所の、前に花子さんが美味しいって言っていたクッキーは買ったんですけどね…。

でも、僕はそれだけ。

それで、ふと、思い出したんですが、B'zの「いつかのメリークリスマス」って曲。

実は、僕、B'z好きなんです。

で、その曲の歌詞の最初の方で、閉店間際に、ちゃんとプレゼントの椅子が買えてるんですよね。

羨ましい…。

でも、現実は歌の歌詞のようには行きません。

厳しい…。

そんなことを考えていたので、さっきから、「いつかのメリークリスマス」が頭の中で、何度も繰り返し流れていました。

でも、今年は、時間が遅くなっても終電のこととか考えなくて良いし、クリスマスをずらさなくて良い初めてのクリスマスですから、これでも結構嬉しいものです。

どんな料理なのか、楽しみにして、家に帰ろうと思います。

では、みなさん、メリークリスマス!




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【2009/12/24 23:48】 | 差を埋めがたき日常 | トラックバック(0) | コメント(6) | page top↑
魔女の帽子と魔性の女
【カテゴリ:差を埋めがたき日常 】   


つい先日のこと。

かなり仕事が長引いて、遅くに家に帰りましたらね。

いつものように夕飯を作って花子さんが待っていてくれたんです。

そのことはすごく嬉しいんです。結婚して良かったと思う事の一つ。

でも、彼女も次の日仕事がありますし、僕よりも時間が不規則な勤務ですからね。

僕が遅いときには早く食べて先に寝てもいいよって言っているんですが、なかなか、それはしてくれないので、そのあたりは、もうちょっと話をしないとなぁなんて思うところです。

って、それはそれなんですけれども。

まずは、ご飯を美味しく食べて、他愛の無い話をして、お茶を飲みながらゆっくりしていましたら、

花子さん 「そういえば、私、魔性の女になることにしたんですよ」

なんて言い出しまして…。

僕 「…」

また、唐突に何を言い出すかと思えば…。

でも、僕も慣れたものでしてね。

この程度では、最近はあまり驚きません。

ブログに書いただけでも、ツンデレになるとか、海賊になるとか、ジェダイになるとかありましたし、それ以外にも結構、いろいろなものになりたがる癖がある花子さんなので、

今更、魔性の女くらい、軽いもの…かと思ったんですけどね。

そうでもなかったことに後から気がつくわけですが、このときはなんとも思っておりませんでしてね。

僕 「そうなんだ…」

と一応返したのです。

花子さん 「どうですか?」

僕 「どうですかっていわれても…。花子さんがなりたかったら、いいと思うよ」

花子さん 「やっぱり、良いですか?」

と、花子さんはニコニコ顔。

僕 「いや、そういう意味の”良い”じゃなくて…。まあ、いいんじゃないかなぁというくらいの”いい”だけど」

花子さん 「あんまり期待してないみたいですね。なんだか残念ですよ」

僕 「いや、そういうわけでもないよ」

花子さん 「見てからのお楽しみですから」

僕 「うん、わかった」

花子さん 「ちょっと待っててくださいね」

というので、ちょっと待つことにしましたら、花子さんが、いつものようにクローゼットに向かいましてね。

そして、帰ってきた花子さんがかぶっていたのが、こういうやつ(パソコン用のリンクです。携帯の方、見れないかもしれません。すいません)。

ハロウィングッズの魔女の帽子です。

僕 「…」

どこが魔性の女なのかと…。

どう見ても魔女なんですが…。

というか、その帽子はいったいどこから持ってきたのでしょうか…。

疑問の嵐です。

でも、花子さんは、

花子さん 「どうですか?」

と、ちょっとポーズをとりながら、かなり自慢げなのです。

僕 「あのさ、魔性の女じゃなかった?」

花子さん 「そうですよ」

僕 「それ、魔女じゃないの?」

花子さん 「魔性の女と、魔女って、同じじゃないんですか?」

かなり、意表を突く発言。

僕 「え!、そうなの?」

花子さん 「私、大人になった魔女がすべからく魔性の女になるんだと思っていましたよ」

僕 「…」

まあ、近いものはあるかもしれませんが、通常使われる意味としてはそれは明らかに違うように思うのですが…。

花子さん、このときまで、ずっとそう思っていたそうで…。

でも、そう言われてしまうと、そうなのかなぁなんて事も思うわけでして…。

どっちなんでしょうか…。

というか、その前に、いくつも疑問があるわけですよ。

その帽子はどこからゲットしてきたのか?とか、ハロウィンの時は、かぼちゃ料理で楽しく過ごしたのに、その時じゃなく、どうして今なのか?とか…。

なので、

僕 「それ、どうしたの?」

と聞いてみました。すると、

花子さん 「これは、今日、美紀ちゃんとお買い物に行ったときに、安売りしてたんです。きっとハロウィン過ぎたからだと思うんですけど。そうしたら、美紀ちゃんが私によく似合うっていうから、買ってきたんです」

とのこと。

その日、休みだった花子さんは、美紀さんと買い物にいくと言っていましたから。

そこは納得したんですけどね。

なんでわざわざ、ハロウィンの売れ残りを買いに行っているのか?とか、新たな疑問が浮かぶんですが、その答えは大体わかりましてね。

僕 「そうなんだ。美紀さんか…」

やっぱり、こういう事の裏には、花子さんの親友である美紀さんが絡んでいるわけです。

花子さん 「はい。すごく色っぽくなるって言ってましたけど、なってますか?」

と誇らしげに帽子を被った顔を傾けてこっちを見るんですが、なんと言って良いのやら…。

帽子は魔女っぽいですけどね。でも、下は普通の洋服にスカート、エプロン姿ですから…。

僕 「…」

花子さん 「なってないですか?」

僕が答えなかったのでちょっと淋しげに花子さんが言うので、

僕 「いや、色っぽいと思うよ…」

と後先考えずに言ってしまいました…。

すると、花子さんは、

花子さん 「やっぱり、美紀ちゃんって、さすがですよね。私よりも、ファッションセンスあるんですよ。色っぽさ5割増しって言ってましたから」

なんて言って喜んでおりました。

そしてしばらくの間、その帽子をかぶったまま、楽しそうにしていた花子さんです。

このままで、いいのか…。

なんて思いが、一瞬頭の中をよぎりましたが、もう後の祭りなのでした。


ということで、うちには、ハロウィンが過ぎて安売りされていた、魔女の帽子が、色っぽさ5割増し(と花子さんは思っている)の魔性の女になるアイテムとして、大切に保管されているのでした。

それにしても、ハロウィン過ぎてハロウィングッズを買うということ自体、小心者の僕には難しいなぁなんて思うんですけれども…。

そのあたりは、全く気にしてなかった花子さん。

それはさすがなんですが…。

この調子で行くと、年始あたりに、安売りされてるサンタ帽を被って出てきそうな気がしてならない今日この頃です。




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【2009/12/21 12:59】 | 差を埋めがたき日常 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
第101話 村上さんと石田さん
【カテゴリ:見えない行先 】   


ここから、新しいカテゴリ”見えない行先”にしてみました。

前回までの、”微妙な付き合い”、その前の”非常識な出会い”のカテゴリの続きですので、読まれていない方はそちらからどうぞ。

ここから僕を取り巻く状況が徐々に変わるので、こういうカテゴリ名になっています。

カテゴリ名をつけるのって難しいですね。なんだか迷走しているような名前ですが、短期的には特に変なことにはならないんですけれども…。

なので、かなり悩みましたが、しばらくこのカテゴリ名で行くことにしたので、結局、こうなりました。

しばらくはこのカテゴリでお付き合いください。

ということで、以下、今日のお話です。




東京での全ての仕事を終え、家に帰るために荷物をもって、ホテルの部屋を出ました。

そして、チェックアウトをするために、ロビーに下りていったとき、ある人たちを見つけてしまったのでした。

それは、村上さんと、石田さん。

チェックアウトの最中でした。

お二人のことは、前に(こちら)に書きましたが、懇親会でお会いし、酔っ払った村上さんを僕が介抱したりとか、

懇親会を抜け出してロビーで石田さんとお話をしたりとか、そんなことがありましたので印象に残っていたお二人。

僕と同じように、イベントの展示が終わってもすぐには帰らず、一泊していたようなのです。

展示が終わったらそのままその日のうちに帰る人が多かったですから、泊まっていたこと自体にも少し驚きましたし、僕はその日には、どこにも寄らずに帰るので私服でしたが、お二人はスーツ姿。

なので、僕にとっては、ちょっと奇妙に見えたわけです。

そんな感じで、ロビーにいるお二人を見つけてしまったのですが、そんな僕を逆に見つけた石田さんが、チェックアウトを終えて近づいてきました。

石田さん 「この間は、すいませんでした。それにあの後、お礼も言わなくて…」

なんて、いきなり頭を下げられまして…。

僕としては酔っ払った村上さんには、多少困ったとはいえ、居心地の悪かった懇親会の会場を出る口実にもなっていただいた感じでしたので、感謝もしていたわけです。

なので、一方的に謝られると、ちょっとばつが悪いのでした。

僕 「いいえ、気にしないでください」

なんて話をしておりましたら、今度は村上さんもやってきました。

村上さん 「良く覚えてないんですが、本当に、本当に、すいません」

と、村上さんなどは、最敬礼でした…。

いや、そこまでのことはしてないんですが…と思っていますので、やっぱり、ばつが悪いわけです。

でも、お二人の中での僕は、酔っ払った村上さんを介抱し、わざわざ水まで調達したということになっているわけでして…。

そして、一通りの謝罪とお礼の言葉を浴び、僕がチェックアウトを何とか済ませた後、やっとお二人は普通に話しをしてくれるようになりまして。

それにはホッとしたのですが、僕のチェックアウト中、お二人は、なにやら相談をしていたのが、ちょっと気になっておりました。

そして、

村上さん 「今日は、これから帰られるんですか?」

僕 「はい。そのつもりです」

村上さん 「あの、お昼くらいまで、お時間ありませんか?」

僕 「時間ですか? これから帰るだけですので、大丈夫ですけれど…。なにかありましたか?」

村上さん 「はい。お礼に、お昼ごはんをご馳走させてください」

僕 「え?いえ、そんな…。別にお礼なんていいですから」

という話しをし始めまして…。

やっぱり、お二人は、懇親会のときのことを忘れたわけではないのです。

当然のことながら、慌てて断ったのですが、となりにいた石田さんが、間髪いれずに言葉をつなぎます。

石田さん 「もしも、お時間があるようでしたら、私からもお願いします」

なんて、二人に言われてしまったのでした。

どうして、こんなことになっているのか?

もちろん理由はわかりますが、なんとも困ったことになったわけでして…。

あの程度のことで、食事をおごってもらうとか、そんな必要を僕は全く感じませんでしたし、

何よりも、補助金をもらっている人たちと話をするのが苦手な僕です。

見事に補助金仲間である、このお二人と一緒に昼ごはんなんて食べようものなら、起業やどこかの会社との提携話が話題になるのは目に見えています。

また気を使って、嘘をつきながら食事をするのは、こりごりなのでした。

だから、僕は断るために、必死で理由を考えました。

僕 「お二人とも、これから、用事があるのではないですか?スーツ着てますし。お忙しいのに、申し訳ないですから」

と、お二人のほうに断る理由を見つけて、なんとかしようとしたのです。

僕は、「時間がある」なんて、言っちゃっていましたので…。

石田さん 「はい。東京に来たついでに、私達のシステム開発を手伝っていただいてる、こっちの会社に挨拶しにいこうと思いまして」

村上さん 「でも、それは午後の約束ですから、お昼は大丈夫なんです」

僕 「…。そ、そうですか…」

なんだか、墓穴を掘った気がしました。

もう、食事を断る理由が無い…。

補助金を起業するために使おう、しっかり頑張って自分達の作りたいものを売り込もうとしているお二人と、補助金はあくまでも就職へのステップとしてしか考えていない僕。

しかも、僕はいつの間にやら、補助金仲間の中で、企業と提携話が進んでいる人という認識がなされておりました。

だから、このお二人と話すであろう、補助金関係の仕事の話は、ほとんどが嘘になるのは目に見えていたのでして…。

嘘も方便ということも思うのですが、それでも良心をいろいろなところで捨ててきているような気がして、気が重いのでした。

前日に花子さんと会って、とても和らいだ気持ちは、このときすっかり吹き飛んでいたのでした。

もちろん、村上さんと石田さんに悪意が無いのも、責任が無いのもわかりますし、迷惑をかけたからその埋め合わせをしたいという気持ちもわかります。

僕が逆の立場で、迷惑をかけたなら、同じようにするだろう事も。

だから、二人を責めるのは完全に筋違いなのですが、それでも僕は、ため息をつきたい気分だったのでした。

村上さん 「東京ですから、珍しいものありそうですね」

石田さん 「どんなランチがいいですか?」

なんて、お二人の気持ちはすでにランチの選定に向いておりまして…。

もう、断れる段階は過ぎている雰囲気。

僕 「何でも、大丈夫なので。お二人に、お任せします…」

また、嘘をつく覚悟を決めて、こんな風に答えるのが、このときの僕には精一杯だったのでした。

その場の雰囲気に流されやすいというか、断りきれないと言うか、とにかくなんでも角を立てずに丸くおさめてしまおうとする自分の性格を恨めしく思いました。




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【2009/12/14 19:42】 | 見えない行先 | トラックバック(0) | コメント(5) | page top↑
第100話の区切りに。
【カテゴリ:微妙な付き合い 】   




狙ったわけではないのですが、花子さんとの3度目のデート?が100話でちょうど終わりましたので、

その区切りということで、この頃の僕の気持ちを多少整理しておこうと思います。

なので、今回は、具体的な出来事の話ではありません。この頃の、花子さんに対する僕の心情を思い出して書いておくということです。

 

正直に言って、この段階で、僕は花子さんのことをかなり好きになっていました。

花子さんと付き合えたらいいなぁという風に思っていました。

でも、それはあまり現実的な感じではなく、どちらかというと、憧れに近い気持ちだったように思います。

お嬢様であり、医者である花子さんと、定まった仕事すらない僕とでは、まったく釣り合わないという風に思っていましたので…。

花子さんが僕と会ってくれるのは、渋谷からおばあさんを家に送っていったことがあるからなんじゃないのか?という気持ちもまだ抜けていませんでした。

もちろん、それは花子さんに否定されていたんですが、それでも僕の中でくすぶっていた気持ちであることは確かです。

そういうことも含め、友達くらいには思ってくれているかもしれないなぁというのが僕のそのときの現状認識でした。

花子さんを好きな気持ちと、冷静に考えたときの現状認識がかなり離れていて、結構凹むときもありました。

で、こういう状況から僕が思っていたことが、いくつかありました。


まず、もしも、花子さんに気持ちを伝えて、付き合って欲しいと申し出るのであれば、少なくとも定職に就く必要があるということ。

これが絶対条件だと思っていました。

ちゃんと自立して、一人前だと、胸を張れる状態。

親戚に、仕事はどうした?なんていわれることのないような状態。

それが僕として、一つの目安でした。

仕事がないから、誰かと付き合ってはいけないとは思いません。

失業していても、誰かと一緒に励ましあってがんばるというのも、一つの方法だと思いますし、むしろ、そのほうがモチベーションも上がって良かったのかも知れません。

ただ、僕に関して言えば、それは考えにはありませんでした。

それには、いくつか理由がありました。


まず、仕事がなく、収入も安定しないような人は、花子さんに相手にされないだろうと思っていました。

僕が仕事についたからといって、医者であり、お嬢様でもある花子さんと同等の収入や生活水準をすぐに得られることはないので、それですらもダメじゃないかとさえ思えるのに、

収入が不安定なバイトや、期限が決められている補助金などでは、まったく話にならないと思っていました。

今、花子さんと結婚して、また付き合っていた時期を考えても、彼女が僕の収入で僕を評価している様子は一切感じられないので、

このときの僕の考えは、花子さんのことを知らないがゆえの失礼なものだったとは思いますが、そのときはそんなことはわかりませんでしたから、

一般的に考えて、やっぱり女性としては、付き合う男性の給与水準というのは、気になるものだろうと思っていました。

って、こんなことを書くと、花子さんが一般的な女性じゃないと僕が思っているかのように書いてるようなものですが…。

その辺りは、とりあえず、僕の胸にしまっておくとしまして…。


次に、僕は定職が無いことで、自分に自信がありませんでした。

僕は僕自身のことをいろいろな面で認めてなかったんです。

現実的に言えば、お金が無いですから、付き合いを維持する自信がありませんでした。

しかも、相手が花子さんですから。

もしも付き合うことにでもなれば、きっと普通の女性と付き合うよりもかなりお金がかかるだろう、なんてことも思っていたのです。

今にして思えば、これも愚かな考えだったのですが…。


そして、社会に出られない自分を情けなく思っていたこと。

これがかなり大きく、自信をそぎ落としていました。

みんなが出来ていることができない人間。

僕は自分のことをそう評していました。そういう現実が、決定的に自信を無くさせていた要因だと思います。


最後にもう一つ。

このとき、実家で暮らしていた僕です。

もちろん、バイトや補助金からの給料の一部を家に入れていましたが、それでも両親に世話になっていること、心配をかけていることに変わりはなく…。

なので、この時期は、遊びに行くことに罪悪感を持っていました。

両親に頼っておきながら、遊んでいるなんて…。

という思いがいつも心の端に引っかかっていましてね。

遊びに行っても心底楽しいと思ったことはあまりありませんでした。

そこへきて、女性と付き合うというのは、遊びに行くよりもさらに両親に申し訳ないことなんじゃないのか?とも思っていまして…。

これも僕の浅はかな考えだったんですけどね。

後で聞いた話ですが、両親は僕が花子さんとたまに会ったり、食べ物を送りあったりして、付き合いがあることをとても喜んでいたみたいで…。

とにかく、ひたすら就職活動や補助金の仕事に没頭し、放っておくと延々とそれをやり続ける僕が、病気になるんじゃないか?というほうが心配だったようです。

実際、この頃の僕は、眠れないとか、そういうことで、メンタルクリニックに通っていたこともありましたので…。

できれば、友達と会ったりして、もうちょっと遊びに行って、気分転換をちゃんとするようになってくれればと両親は思っていたそうで…。

だから、この時期から、花子さんと恋人として付き合えていればすごく良かったのに、なんてことまでも、期待していたみたいです。

両親の思いというのは、このときの僕にはわからなかったんです。


というような、諸々の理由から、僕は、花子さんに好きな気持ちを伝えるとしても、それは就職が決まって、仕事が安定した後だとこのときは思っていたのでした。



その上、普通の疑問もあるわけです。

まず、花子さんに彼氏が居るかどうか?好きな人が他にいるんじゃないか?というのも、相変わらずわかっておらず…。

さらに、一番の疑問として、花子さんは僕のことを多少なりとも気に入ってくれているのかどうか?

というのが、全く読めず…。

ブログに書いて、皆さんのコメントを頂くと、花子さんがこのころから僕のことを気に入っていたのではないか?という風に書いてくださる方が多いですが、

僕は、これらの出来事があっても、そういう確信はなかったんですね。

やっぱり、おばあさんのことがあるので花子さんが友達づきあいをしてくれているという風な思いが強かったんです。

もちろん、花子さんが僕のことを気に入ってくれていれば良いなぁという期待はしていました。

でも、元来の、ネガティブシンキングが思いっきり出ていましてね。

僕は、たいていの物事を、かなり慎重に、まずは悪いほうから考えるという癖がありますので、このときもそれをしっかりと発揮していたわけです。


なので、この時点では、花子さんに僕の気持ちを伝えるということはまだ考えられませんでした。

まずは就職、そしてその後で、時期が来たら、彼氏や他に好きな人が居ないかどうかを確認して、さらに、花子さんに嫌われていないかどうかも確かめて、その上で、気持ちを花子さんに伝えよう、なんて思っていました。


という感じで、この頃、花子さんのことが好きではありましたが、是が非でも花子さんと付き合うために、アクションを起こそうと踏み出すことは出来なかった僕です。

まあ、色々と理由を書いていますが、今思えば、結局のところ、僕に勇気が無かっただけだろう、なんてことも思いますけれども…。

やっぱり、小心者なわけです。

この後も、しばらくはこんな調子の僕ですが、そのうち、だんだんと僕の状況に変化が出てきまして、それと共に気持ちもかなり揺れ動くことになるのでした。

ということで、”微妙な付き合い”のカテゴリは今回でおしまいです。

次回、101話からは、カテゴリを変えて書きたいと思います。



今回は、状況説明だけで、話が進んでなくて、なんだか申し訳ないです。

最近、時間を空けてブログを書くようになってから、たまにこうやって整理しないと、昔の気持ちとか、出来事がゴチャゴチャになりそうでして、

忘れないようにとメモしてるものとかもあるんですが、それをまとめているうちに、今回みたいなエントリーが出来てしまっております。

この続きのエントリーからは、しっかりと出来事を書きますので。





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【2009/11/26 13:04】 | 微妙な付き合い | トラックバック(0) | コメント(6) | page top↑
第100話 握手
【カテゴリ:微妙な付き合い 】   


僕の唐突な呼びかけに、花子さんは、

花子さん 「はい」

と、エントランスに向かっていた足を止め、即座に振り向いてくれました。

その彼女に向かって、

僕 「また、連絡してもいいですか?」

と、言っていました。

そのときの僕は、なんとしても、それを確認したかったんです。

多分、確認しなくても、連絡してよかったのだと思います。

でも、なんとなく、それを聞いておきたいという、そんな気持ちでした。

そして、その言葉に、花子さんはちょっと驚いたようでしたが、すぐに僕の予想以上に嬉しそうな顔をして、

花子さん 「もちろんです!」

と答えてくれました。

そして、やっぱりまた、わざわざ僕のほうに戻ってきてくれまして…。

花子さん 「私も、連絡差し上げてもいいですか?」

僕 「はい。楽しみに待っています」

そう答えたとき、僕はなんだか、とてもすっきりした気がしました。

その日、色々とあった気持ちの変化や、凹んだこととか、変な意地とか、そういうものもそのときは忘れ去ることができたように思います。

花子さん 「またしばらく、お会いできないと思うと、名残惜しいですね」

僕 「そうですね。でも、もう遅いですから。明日、花子さん、お仕事ですよね?」

花子さん 「はい…」

僕 「また、お会いできるのを楽しみにしています」

花子さん 「私もです」

といって、二人とも笑顔でした。

ですが、

花子さん 「あの、握手していただいていいですか」

と唐突に言われましてね。

今度は、僕がびっくりしました。

握手って、なんだかよくわからず、とっさに、

僕 「えっ! あの、手が汗で…」

なんて、よくわからないことを言っておりまして…。

トイレで手を洗ってないとかそういうわけではないですが、花子さんと居る間、汗かきっぱなしでしたし。

なんか、べたべたしてそうな気が…。

ですが、そんなことを気にした様子の無い花子さんは、

花子さん 「今日一日、頑張った手じゃないですか?」

なんてニッコリ笑って言っておりましてね。

すっと右手が出てきていました。

僕 「あ、いや…」

なんていいつつ、僕は結局それを握ることになりましてね。

柔らかくて暖かい手でした。

花子さん 「また会う約束です」

僕 「はい…」

ということで、その握手と一緒に、また会うという約束をしたのでした。

手を離したのは僕からだったような気がします。

やっぱり、ずっと握ってるのもなんだか不自然な気がしましてね。

それと、マンションの真ん前で手を握ってるのが恥ずかしくなってきたのもあるんですが…。

誰かが来たりしないかと、ビクビクしていたのです。

僕 「そ、それじゃ、お休みなさい」

花子さん 「はい。おやすみなさい。ホテルまで、気をつけて帰ってくださいね」

そう言って、今度こそ、花子さんはマンションの中に入っていきました。

ちょこちょこと何度も後ろを振り返って手を振りながら。



花子さんと別れて、ホテルに戻る電車に乗った頃、携帯にメールが届きました。

花子さんからで、その日の感謝と、また会いましょうという、挨拶が書かれていました。

僕も、それに普通にメールを返して、その日の花子さんとのやり取りは本当に終わりになりました。

僕がホテルに着いたのは、多分夜中の12時を過ぎたくらいだったと思います。

それでも、なんだかドキドキしていて、なかなか寝付けず、結局、朝方まで起きていました。

ですが、やっぱり疲れていたのか、次の日は、起きようと思っていた時間には起きられず、ホテルの朝食バイキングが終わるギリギリの時間に滑り込んだ感じでした。

この日は、それまでとはうって変わって、イベントも、花子さんとの会食も、全てが終わって緊張感がなくなったからなのか、朝から、ものすごい食欲がありまして、

数日間、朝はあまり食べられなかったのを取り返すがごとくに、色々と食べていたのでした。

そして、荷物をまとめ、ホテルを出ようと、ロビーに下りていったのでした。





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【2009/11/05 12:36】 | 微妙な付き合い | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
婦人靴を選ぶ
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この間、二人で出かけたとき。

途中で買い物する予定だったのです。

花子さんの靴を買いに、あるデパートの中にある、花子さんが好きなブランドの一つの婦人靴売り場に行きました。

で、僕はそういう場所って基本的に苦手。

理由は一つで、周りが女性ばかりだから。

その場違い感がどうも嫌なんですよね。

花子さんと一緒なので、まあ、なんとか耐えられるのですが、一緒じゃなければ近づかない類の場所です。

デパートの一階って、なんで化粧品売り場だとか、女性用小物売り場だとか、そういうのが密集してるんでしょうかね?

かなり不思議です。

食品街とかあったほうが、みんな便利なんじゃないかと思うんですけれども、

どこのデパートも同じ感じなので、やっぱり、そういうわけには行かない事情があるんでしょうか…。

まあ、そんな話はどうでもいいんですが、とにかくその靴売り場で、花子さんが靴を選んでいたわけです。

花子さん、何足かの靴を試しに履いていましたが、あまり良いのが無く…。

デザインが気に入っても、サイズが無いということが多いんです。

花子さんは、足が小さいので、靴選びで悩む事って結構あるみたいで、仕方がないので、通販なんかで買うことも多いのです。

その日も、かなり悩んでいました。

花子さん 「小太郎さん、時間かかってごめんなさい」

なんて、途中で僕に言いに来てましたが、

僕は売り場自体は苦手ですが、時間がかかることをそれほど苦痛には思っていませんでしたので、

僕 「ゆっくり選んでいいよ」

といって、花子さんが靴を選ぶのを見ていました。

”見ていました”といっても、僕がいたのは、売り場の外。

花子さんのそばにいたわけではありません。

売り場自体の雰囲気が明らかに女性専用って感じなんですよね。

近づきがたいオーラがあるわけです。

だから、そこから離れているというわけです。

でも、中には、彼女の靴を選ぶのを一緒に楽しんでる様子の彼氏らしき男性もいたりしますが、小心者の僕にはその真似はできず…。

似合うかどうかとか聞かれても、正直、わからないですからね…。

花子さんの好みで選べばそれで良いだろうと思う僕です。

それに、花子さん以外にも、結構な数の女性が靴を選んでいましてね。

その中に、僕がいるのも邪魔っぽかったんですよ。

なので、僕は、売り場の外にいまして。

でも、あまり違うところに行っちゃうのも、なんだか花子さんを放置してる感があるので、それも悪い気がして、

近づきすぎず、遠すぎず、という微妙なあたりをウロウロとしていたわけです。

多少、不審者気味かなぁなんて思いますので、

たまに、花子さんのほうを見て、「あそこにいる彼女の買い物を待ってるんですよ」的な雰囲気をかもし出すように努力してみたりとか、

いろいろと妙なことをしておりました。


で、しばらくすると、花子さんの靴選びも終わったみたいでして、靴の入った袋を持って、出てきたんです。

花子さん 「お待たせしました」

僕 「気に入るの買えた?」

花子さん 「はい」

と。うれしそう。

僕 「そっか。良かった」

といって、二人で歩き出したのですけれども、

花子さん 「小太郎さん、何かいいと思う靴でもありましたか?」

と聞かれまして。

僕 「ん?なんで?」

花子さん 「ちらちらと靴売り場のほうを見ていましたから」

僕が見てたのは気がついてたみたいでして。

僕 「別に無いけど…。たまたま…」

たまたまでもないんですけどね…。

花子さん 「そうなんですか。てっきり、私は、小太郎さんが気に入った靴があったのかと思いました」

なんて、普通に言いだすわけです。

僕 「えっ! 俺が? 無いよ、そんなこと、絶対」

婦人靴売り場ですからね。僕が気に入ったって…。

さすがに、婦人靴は履きませんので完全否定したのでした。

ですが、

花子さん 「そうなんですか。ちょっと寂しいです…」

などと言われましてね。

しかも、花子さん、すごく寂しそうにうつむいてしまいました。

もう、意味がわかりません。

僕に女装でもさせたいのか?とちょっと驚きまして…。

僕 「あ…、な、どうしたの?」

と、おっかなびっくり聞いたのでした。

でも、花子さんは、なんだかやっぱり、うつむき気味でため息などついておりまして…。

すぐには答えてくれません。

仕方がないので、

僕 「俺、いくらなんでも婦人靴は、履かないからさ。気に入るも何も…」

といいましたら、

花子さん 「え? なんで小太郎さんが履くんですか?」

と、逆に聞かれたのでした。

僕 「いや、だって、俺が気に入った靴があったか?って…」

花子さん 「はぁ…。違います。小太郎さんが履くんじゃなくって…」

僕 「え?」

花子さん 「小太郎さんも、私に似合いそうな靴を選んでくださっていたのかなぁって期待していたんです、私…」

僕 「あ…。そういうことか…。ごめん」

つまり、花子さんは、僕が花子さんに似合う靴を探してたのだと思ってたみたいで、それを完全に否定したので、ショックだったとのこと。

確かに考えてみたら、花子さんが、僕に婦人靴を履けとは言わないですからね。

そんなのわかってるのに、これですから、本当に悪かったなぁと思いました。

それに、僕って基本的に花子さんの服装とかに口を出さないんですよね。

何を着たときでも、「似合う」とか言っちゃってる気がしますし…。

花子さんも、それは諦めてるところはあるようなんですが、僕が少し靴を見ていた(ように花子さんからは見えた)ので、なんだか期待したみたいでして。

それを見事にひっくり返したばかりか、全否定したわけで、まあ、花子さんとしては凹むのも無理はないのだろうと思います。

花子さん 「もう、病院のサンダルをずっと履いちゃいたい気分です」

一応僕の勘違いだとわかったので、機嫌は直ったんですけれども、やっぱり少し、残念に思っているらしい花子さん。

でも、実際、僕、女性の靴なんてわからないですしね。

履き心地がよければそれでいいんじゃないのか?とか、思っていますし…。

理系的な実利主義というか、使えればそれでいいじゃないか、という考え方なんですよね、基本的に…。

ただ、考えてみたら、花子さんは僕のラジコンの趣味とかにも嫌な顔せずに付き合ってくれますから、

そういう意味では、もう少し、何とかせねばと思ったことは思ったのでした。

でも、思っただけで、何もしてない僕。

すいません…。




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【2009/10/27 19:56】 | 差を埋めがたき日常 | トラックバック(0) | コメント(6) | page top↑
第99話 心配事の原因
【カテゴリ:微妙な付き合い 】   




一端マンションに入ったのに、また出てきた花子さん。

僕は、何事かと思いました。

そして、僕の前に戻ってきた彼女に、

僕 「どうしたんですか?」

と、聞きました。

すると、花子さんは、かなり真面目な顔をして、

花子さん 「しつこくて申し訳ないのですが、さっきのこと、気になってしまって。このままだと、またお会いするときまで考えてしまいそうで…。もう一度、伺ってもいいですか?」

と、聞いてきたのです。

僕は、そのときは何のことなのか良くわからず…。

僕 「さっきって… なんですか?」

花子さん 「私と居るのが嫌なわけではないって、小太郎さんが言ってくださったことです」

花子さんが言うのは、このときのことです。

僕が元気がない感じなのは、花子さんと会うのが嫌だからなのか?という、彼女の疑問に対して、僕が、そうではないと答えたときのこと。

あの時は、それで納得してもらえたと思っていたのですが、花子さんは、それをもう一度確かめたいと思ったようでした。

僕 「あ、はい…」

花子さん 「小太郎さんが少し元気がないようなご様子なのは、本当に、私と居ることが原因じゃないんですか?」

僕の煮え切らない態度が、花子さんにこんな風に思わせているわけですから、僕がかなり悪いわけです。

本当に申し訳ないと思いましたので、この点に関してはしっかりと話して、納得してもらいたいと思いました。

僕 「はい。僕の個人的な悩み事です。せっかくの食事だったのに、なんだか、嫌な思いさせてしまって、ごめんなさい」

花子さん 「いいえ、私は嫌な思いはしてないです。さっきは、もうこの話はお終いって言ったのに、私、そのことが気になってしまって…」

僕 「すいません。でも、それは、大丈夫ですから。花子さんのせいじゃなくて、むしろ、お会いできてとても楽しかったです。それにお会いしたおかげで少し元気にもなりました。そのことは信じてください」

花子さん 「それならいいんですが…」

といって、僕の顔をじっと見つめる花子さん。

見つめられると非常に恥ずかしいのですが…。

だからと言って顔をそらしたりしたら、また余計な心配をかけそうですし…。

でも、そんな僕の顔から何かを読み取ったらしい花子さんは、何かに納得したらしく、

花子さん 「信じますね」

と少し強くいいました。

僕 「あ、ありがとうございます…」

信じてもらえたこともそうなんですが、顔を思いっきり見ていられるのがかなり照れくさかったので、ちょっとホッとしました。

花子さん 「いいえ。こちらこそ、しつこく何度もごめんなさい。それから、小太郎さんのお悩みが早く解消しますように」

僕 「なんだか、ご心配をかけてしまいましたね」

花子さん 「変な言い方ですけれど、心配かけられるのも嬉しいです」

僕 「そ、そうですか…」

花子さん 「はい」

といって、花子さんはニッコリ笑いました。

僕はなんだかドキドキしていましたし、だからと言って何か言う言葉も見つからず、多分、微妙な顔でそれに応じていたのだろうと思います。

しばらく、そんな感じでいまして。

そして、

僕 「それでは、また」

花子さん 「はい。また、お時間のあるときに。お休みなさい」

僕 「はい。おやすみなさい」

といって、今度こそ、帰ることになりました。

花子さんもエントランスに向かって歩き始めます。

でも、このとき僕は、なんとなく、このままじゃ良くないような気がしたのです。

なので、とっさに声をかけて呼び止めてしまいました。

僕 「あの…」

と。




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【2009/10/06 16:00】 | 微妙な付き合い | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
第98話 花子さんのマンション
【カテゴリ:微妙な付き合い 】   




なんとか、花子さんをマンションまで送ることになった僕。

ホッとしたからだったのか、電車に乗ってからも、普通でいられまして、二人でいろいろな話をしました。

具体的にはあまり覚えていないですが、楽しく時間を過ごしたのは確かです。

一度乗り換えて、しばらくすると、花子さんのマンションの最寄り駅に着きましてね。

そこで降りました。

マンションの住所は前の電話で教えてもらっていましたので、どのあたりに住んでいるのか?というのは、僕も知っていたのですが、

実際に降りて、少し歩き、花子さんのマンションの前まで行ってみると、そこに住んでいるということに、かなり驚いた僕です。

唐突に違和感が湧き上がってきました。

というのも、都心に近いかなり高そうなところに、やっぱり高そうなマンションを買って住むというのは、僕の金銭感覚では、到底考えられないことだからです。

もちろん、医者とは言っても、まだ若い花子さんです。

その給料で買うのは厳しいですから、花子さんのご両親の援助があるわけですけれども、実家にしても、花子さんのマンションにしても、圧倒されてばかりの僕でした。

そのころ、僕は就職もまだでしたから、余計にそのことを強く思いましたし、就職した後の僕の金銭感覚でも、やっぱり難しいだろうと思えるところです。

月明かり中でも明らかにわかる綺麗な外壁、夜でも明るいエントランス、そこへと続く綺麗に並んだ敷石…。

目の前のマンションに完全に気圧されていた僕です。

なので、その前に言っても言葉が出なかったのでした。

花子さんが先に口を開きました。

花子さん 「もしも、お時間がありましたら、うちに上がってお茶でも、いかがでしょうか?」

なんて、サラッと言い出したのでした。

マンションだけで驚いているのに、それに追い討ちをかけられたかのような発言です。

もちろん、花子さんに追い討ちをかけるような意思がないのはわかるのですが…。

僕にとっては、付き合ってもいないのに、女性の部屋に、しかも夜に上がるっていうのは、ちょっと想定してない展開なのでした。

なのに、花子さんは平気でそんな提案を持ちかけたのです。

もう、驚くことばかりで、なんだか、気持ちが切れそうでした。

ただ、それと同時に、僕は、花子さんが僕のことを、友達以上には思ってくれているのではないか?なんてことまで考えてしまいました。

でも、一方で、前にパーティーを開いてくれた花子さんのご家族の、なんだかフランクな様子とかも見ていますし、

花子さんにとって、僕はおばあさんを助けた人で、その感謝の気持ちがあるからだというのも予測できます。

本当に、いろいろなことを考えすぎてしまい、結局わけがわからないのでした。

もう、正常に物事を判断できない僕がいました。

そして、僕が出した結論は、

僕 「時間も遅いですから、今日は、ここで失礼します…」

という、なんとも情けない断りの返事だったのでした。

結局、まだ付き合ってもいないのに、夜に女性の部屋に上がるのはまずいだろうという僕なりの気持ちを優先したということです。

花子さん 「そうですか…。確かに、遅いですし、小太郎さんもお疲れですよね。余計なお誘いをしてしまって、すみません」

と、花子さんは、申し訳なさそうに謝るのでした。

でも、僕としては、謝りたいのはこっちのほうという感じでしたので、すぐに、

僕 「あ、いえ、余計だなんてことはないんです。誘っていただいてすごく嬉しかったです。でも、遅いですから、お邪魔するのも、気が引ける感じなんです」

花子さん 「そうですか。ちょっと残念です」

僕 「すいません…」

花子さん 「いえいえ、そんな、こちらこそ」

なんて、お互いに頭を下げながらの変な会話を、マンションのエントランスの外で交わしていたのでした。

しばらくそんな感じで話をしてから、

僕 「それでは、そろそろ、ホテルに戻ります」

と、なんとか切り出しまして。

花子さん 「そうですか。お気をつけて、戻ってくださいね」

僕 「はい。今日は、本当にありがとうございました。楽しかったです」

花子さん 「私も。とっても楽しかったです。ありがとうございます」

なんて挨拶をお互いに言って、

僕 「あの、先に、中に入ってください」

と、花子さんに中に入ってくれるように促したのでした。

花子さん 「小太郎さんって、本当に優しいですね」

ちょっと苦笑しておりまして。

僕 「あぁ、いえ、心配性なだけです」

花子さん 「ここまできたら、危ないことなんてないですよ」

僕 「ですよね…」

花子さん 「では、お言葉に甘えさせていただきますね」

といって、やっぱり花子さんは苦笑しながら、歩き出しました。

僕は、マンションの外で、花子さんがエントランスの自動ドアをくぐるのを見ていました。

そのときになって、やっと、ちゃんと家まで送った気になったのでした。

そして、僕も駅に向かおうかと思ったとき。

また自動ドアの音が鳴りまして。

エントランスに入ったはずの花子さんが、外に出てきたのでした。





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【2009/09/24 22:11】 | 微妙な付き合い | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
第97話 どちらが送る?
【カテゴリ:微妙な付き合い 】   




花子さんに、「ホテルまで送る」といわれてしまいましてね。

あまりにも意外な展開にびっくりした僕ですが、女性に送ってもらうっていうのはなんだか情けないなんて思う変な意地があったりとか、

何でそういうことになるのか意味がわからないというか、ちょっと、パニックなのでした。

なので、慌てて、

僕 「いえ、そんなことまでしてもらっては申し訳ないです」

なんて言っておりまして。

花子さん 「でも、小太郎さん、この間、私のこと送ってくださったじゃないですか?今度は私の番ですよね?」

花子さんが言っているのは、彼女が僕の地元に遊びに来たときのこと。

そのとき、僕は車で花子さんを家まで送ったわけです。

それを言っているのですが、あのときは僕も車がありましたし、何よりも東京まで戻るにはかなり時間がかかるので、送ったということもあるわけで、

今とは状況が違いますから、それを同列にされていることにもかなりびっくりしたのでした。

僕 「あ、いえ…。花子さんの番とか、そういうことでは…」

なんだか、同じ話をしているのに、気にしているところが違うのが明らかに僕にはわかるんです。

でも、

花子さん 「?」

という感じで、首をかしげておりまして…。

花子さんにしてみると、多分、なんでもなく、ただ単に、順番ということだったみたいなのでして…。

ちょっと困ったのでした。

でも、だからといって、花子さんに送らせるつもりなどありませんから、なんとか説得しようと思ったわけです。

僕 「明日、僕は家に帰るだけなんです。でも、花子さんはお仕事ですよね?だから、早く家に着いたほうがよいのは、花子さんのほうだと思うんです」

花子さん 「でも、明日の勤務には、差し支えない時間に帰れますから」

僕 「それに、ホテルまで行ったら夜も遅くなりますし、そんな時間に花子さんを一人で帰らせるわけには行かないですし…」

花子さん 「心配してくださってありがとうございます。でも、タクシーでも帰れますから、大丈夫です」

と、にっこり。

お台場から花子さんのマンションまで、夜間料金のタクシーで帰ったら、一体いくらかかるのか、想像が付かないのですけれども…。

特にそのとき、お金もそれほど無かった僕としては、途方も無いことでしてね。

ちょっと圧倒されたのは確かです。

でも、なんとか、送らせるのだけは、回避しようと思いまして。

僕 「タクシー代、もったいないですし、あの、よければ、僕がお送りしますから…」

と、逆に言うことになったのでした。

図らずも、僕が送っていくということを言い出すことができたのでした。

でも、

花子さん 「そんなのいけないですよ。小太郎さんこそ、お仕事でお疲れなのに」

僕 「僕は大丈夫です。てんぷら屋と、喫茶店でゆっくりできましたから」

花子さん 「でも、それでは、なんだか小太郎さんにばかり負担がかかってしまって良くないですよ」

確かに、花子さんの言うことも一理ありましてね。

てんぷら屋も、喫茶店も、花子さんも同じようにゆっくりしてましたからね。

結局その前にどのくらい疲れてたのか?というのが問題なわけでして…。

花子さんが言いたいのはそこなのです。

理屈勝負になると、負けそうな雰囲気が漂ってきたのでした。

このあたりは、やっぱり頭がいいというか、言ってる事が的確なのでして。

さすがだと思いますが、絶対に彼女に送らせるようなことだけは避けたかった僕としては、もう少し踏み込んで言うしかなかったのでした。

僕 「いえ、なんか、僕の自己満足みたいなものなんです。ちゃんと帰れたかなぁとか、絶対にあとで気になって眠れなくなったりする性格なので。それに、もう少しお話もしたいですし、もしも嫌でなかったら送らせてください。家の前まで送ったら、すぐに帰りますから」

かなり真剣に言ったような気がします。

花子さんが、ちょっとびっくりするくらいに。

花子さん 「本当に、まじめなんですね。小太郎さん」

僕 「そうですか?」

花子さん 「そうですよ」

僕 「なんか、面白くないですよね?」

花子さん 「そんなことはないです。私は楽しいですし、とても安心です」

僕 「はぁ…。それは、どうも…」

花子さん 「それでは…」

と、花子さんが少し考えていましてね。そして、

花子さん 「お言葉に甘えて送っていただいてもいいですか?」

ということを言い出したのでした。僕はもちろん、

僕 「はい」

と即答です。

そのとき、花子さんが何を思って方針を変えたのかはよくわかりませんが、なんとか僕の言うことを聞いてくれまして、僕もホッとしたのでした。

花子さん 「お願いします」

ということで、二人で駅に行きまして、花子さんのマンションの最寄り駅に向かう電車に乗ったのでした。




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【2009/09/16 12:54】 | 微妙な付き合い | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
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